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社会言語学の方法 [言語学・日本語学を学ぶ]

新版 社会言語学の方法

新版 社会言語学の方法

  • 作者: ブリギッテ シュリーベン‐ランゲ
  • 出版社/メーカー: 三元社
  • 発売日: 1996/07
  • メディア: 単行本
社会言語学は、人間不在のママゴト言語学への挑戦の中から誕生した。本書はその黎明期の代表的研究を紹介しつつ、社会科学・思想史の展望の中に位置づける。知的な緊張に満ちた、すぐれた入門書である。(Amazonより抜粋)
日系の本屋に行ったらたまたま言語学の本が売っていたので、つい買ってしまいました。

「人間不在のママゴト言語学」という文言に惹かれて読み始めたのですが、恥ずかしながら、言語学の一分野であるにも関わらず、社会言語学について全く知りません。というわけでこの本に書かれていることもほとんど知りませんでした。さらに言えば入門書という位置づけですし、1996年に書かれた本なので、現在の状況とどこまで同じなのか、どう違うのかも分かりません。と、まあ、なんとも頼りない状況なのですが、とりあえず全文読んでみた感想です。

私は生成意味論(と統語論)専門としているのですが、大学/大学院と同じ大学に所属しているので、去年あたりまでは決められた道をあまり疑問もなく進んできましたが、最近、これでいいのかという想いが少しずつ強くなってきて、別の分野の本をもっと読んでいこうと思うようになりました。

そんなわけでこの本を読んでみましたが、各国における社会言語学のあり方について、または代表的な研究について色々と図解がされているところが面白かったです。「入門書」と言うだけの事はあって、非常に分かりやすく、勉強になりました。また、生成言語学は、(私はその理論や手法などは面白いと感じますが、一方で)なんか変なツールを使って言葉で遊んでいるだけのような印象を受けるときもあり(この点が「ママゴト」なのかもしれません)、その点は、社会言語学の方が社会に還元でき、役にたつのかもしれないとも感じていたので、そこが確認できたのは良かったです。(でも、所詮多くの学問とはそういうものだと思わなくもないのですが。)

個人的には方言とマイノリティ、そして言語政策に非常に興味があるので、そこに言及している部分が一番興味深かったです。普段フィールドワークをしているので、終盤に書いてあったデータの取り方などについての話は、自分の理想と現実を思い出しながら読んでいきました。



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