革命前夜 [和書・翻訳書を読む]
バブル期の日本を離れ、東ドイツに音楽留学したピアニストの眞山。個性溢れる才能たちの中、自分の音を求めてあがく眞山は、ある時、教会で啓示のようなバッハに出会う。演奏者は美貌のオルガン奏者。彼女は国家保安省の監視対象だった…。冷戦下のドイツを舞台に青年音楽家の成長を描く歴史エンターテイメント。大藪春彦賞受賞作! (Amazonより抜粋)これはおもしろい!
まじおもしろい!!!
音楽留学と言いつつ、音楽がちょっとおまけのような感じですが、ドイツ統一前の東ドイツの話が濃くなっていくにつれてグイグイ引き込まれ、一日で読んでしまいました。ベルリンの壁自体は、そういえばそんなのが崩れて人々が喜んでいたよね、という薄っすらとした印象しか残ってないし、東ドイツのことも西ドイツのことも最低限の知識しかありませんでしたが、ナチスといい、これといい、社会の恐ろしさがひしひしと伝わってきました。そう、ね、日本にいるのって幸せですよね。