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留学生と見た日本語 [言語観を知る]

留学生と見た日本語 (ちくま学芸文庫)

留学生と見た日本語 (ちくま学芸文庫)

  • 作者: 佐々木 瑞枝
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 1995/11
  • メディア: 文庫

「取ってね」と「取ってよ」の違いは。「怖いくない」はなぜ問違いなのか。外国人留学生から見ると、日本語はわかりにくいことだらけ。でもそんな疑問をよく考えてみると、ふだん何気なく使っている日本語という言語の意外な特徴が見えてくる。7年間にわたり日本語教師として活躍してきた著者が、留学生たちと過ごした日々のエピソードを通して、教える日本語と日本語教師という仕事をいきいきと語る。アーサー・ビナードとの対談「教える日本語学ぶ日本語」を収録。(Amazonより抜粋)

20年近く前に書かれた本ですが、日本語教育というものがどういうものなのか少し興味があった時期に図書館で見つけ、手に取りました。

私は以前から何度か書いていますが、 いわゆる『英語産業』、特に『英語教育産業』というところにけっこうな不信感を持っています。もちろん、すべてがそうとは限りませんし、日本でも留学先でもすばらしい先生達にたくさん出会いましたが、「これが先生なのか?」という人の方がはるかに多かったと思います。また、この土地では、日系企業が日本人をカモにしている、という話を何度も聞いた事があります。日本でも、少し前に大手英会話学校や、留学斡旋会社の倒産が問題になりましたよね?

私は、 教育というものは、生徒のお尻をたたいて机に向かわせることではなく、生徒が自分から興味を持って机に向かう、または他の方法で知識を得られるようにすることが大事だと思っています。だから、どういう方法が効率的なのかを教えてあげるのが、経験者としての努めだと思っています。「難しいから」と脅すのが効果的な生徒もいれば、「簡単だよ」と分かりやすく教えることが効果的な生徒もいるでしょう。そこを見極めることが非常に大切なのではないでしょうか。

必要な教育にはお金を惜しまない人も多いですが、だからと言って、そこにつけこんではいけないと思っています。日本で英語の学校に行こうとすると、あまりの値段の高さにビックリしますし、同じ言語学専攻のクラスメートや日本語を教えた生徒達の中に「お金」のために日本で英語を教えたいという子は非常に多かったです。

そして、日本人に対する英語教育でさえこんな状況なのですから、日本語教育の状況はどうなっているのでしょうか。これは期待しすぎなのかもしれませんが、日本語教育を受けた外国人は、いずれ日本のために何らかの役に立ってくれるのではないでしょうか。だから、たとえ、お金のために日本語習い始めたとしても、そうやって交流を始めることがまず第一歩なのではないかと思っています。

だから、彼らに「不当な」授業料を要求しないでほしいですね。彼らが日本語を学ぶための環境がこの時代より数段良くなっている事を切に願います。

 

 


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