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ニホン語日記 [言語観を知る]

ニホン語日記 (文春文庫)

ニホン語日記 (文春文庫)

  • 作者: 井上 ひさし
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 1996/07
  • メディア: 文
言葉はゆれる、ゆれつつ生きる。日常なにげなくつかわれるニホン語の不思議。アソコをアスコ、新宿はシンジク。けれど江戸期も同様で百人一首をヒャクニンシッシ、亭主をテイシと読んだという。言葉の奇才が講ずる、興味津々の現代ニホン語講座全46講。ニホン語を愛する人、憂う人、さらに壊す人におくる本。(Amazonより抜粋)

15年程前に書かれた本ですが、その頃の日本語に関する問題について色々書かれていてけっこうおもしろかったです。

その中で、日本の国名表示について、我々はJAPAN、NIPPON、NIHONのどれを使っていくべきか、なんて事が書かれていましたが、私はこの「地名現地よみの原則」に大いに賛成します。なぜかというと、日本を離れてから、中国の地名がまったく分からなくてけっこう苦労しているからです。「くいの杭州」、「ひろい広州」という呼び方はけっこう好きでしたけど、正式名称は「Hangzhou」、「Guangzhou」だし、中国人は「Tokyo」以外の地名は大抵中国語読みしますので、お互いによく知っている土地の話をしていてもすぐに分からないのです。

もちろん、中国と日本は同じように漢字を使用しているため、相手が中国人の場合は実際に書いてもらうと大抵は理解できます。でも、指で書くのではなく、ちゃんと紙に書かないと分からないため、一概には便利とは言えません。そして、中国の簡体字もけっこう問題で、日本と中国が同じ漢字を使っているのに、簡略化された字を日本人が見分けることができなかったります。

そして、人名です。私は、(特に漢字を使う日本人や中国人にとって)名前には色々な意味がこめられているので、発音が難しいからと言ってまったく異なる英語名を使うことを手放しで賛成することはできません。英語名を使っていた中国人留学生の名前が(若い世代なこともあり)けっこう凝った名前だったり、地元の人に他の日本人の名前を出されて、「これって~~の意味なんでしょう?いい意味だよね」ってまるで自分の事のように誇らしげに言われたこともあります。だから、たとえ発音が難しくて正しく発音が出来なくても、できるだけその人の本来の名前や、名前から生まれた愛称で呼びたいと思っています。

話が少しそれてしまいましたが、私にとって自分の国は「にっぽん」そして「にほん」であって「じゃぱん」でも、「じゃぽん(仏語)」でも「りーべん(中国語)」でもありません。最近のスポーツ界の「チームジャパン」とか「~~(監督名)ジャパン」って言うのもあまり好きではありません。だから、たとえ他の国の人にとって発音が難しくても、どの国に行っても「にっぽん(にほん)」と言える日が来たら素敵だなと思います。

 


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