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フランス語の綴りの読みかた [言語を習う]

フランス語の綴りの読みかた―正しい発音の出発点

フランス語の綴りの読みかた―正しい発音の出発点

  • 作者: 稲田 晴年
  • 出版社/メーカー: 第三書房
  • 発売日: 2005/04
  • メディア: 単行本
「フランス語の発音はむつかしい」「この単語、どう読むの?」本書は、そんなフランス語学習者の悩みに応える待望の一冊。正しい発音の出発点となる「読みかた」が身につきます。フランス語の綴りと音の規則を懇切丁寧に解説。読みかたはカタカナと発音記号を併記。練習問題を多数収録。初めての単語でも綴りを見ただけで読めるようになります。(Amazonより抜粋)

国際化時代の日本語』でも書きましたが、私の外国語レベルは、

  1. 英語
  2. フランス語
  3. 中国語

ですが、発音についてネイティブからもらう評価は、

  1. 中国語
  2. 英語
  3. フランス語

となります。また、各言語のレベルや使用頻度が違うことを考慮すると、実際の発音のレベルは、

中国語>>>>>>>>>>>>>>>英語、フランス語

ぐらいになるんじゃないかなと勝手に思っています。

これはもう完全にどういう風にその言語を勉強し、指導してもらったかに依存しているのですが、そういう違いがあることを考えても、とにかく同一人物による外国語の発音にこんなに差が出ることについては、自分の事ながら非常に興味があります。

そんなわけで、3つの言語を学んだ経験と、40人近くの生徒に日本語を教えた経験(と言っても大したことはしてませんが)から、私は次のように発音を学んでいけばいいと思っています。

  1. その言語にはどういう音があるか一通り説明する。できれば、学習者の母語との違いも説明する。説明するときは「こういう音があるんだよ」という紹介にとどめ、覚える必要はないことを強調する。
  2. 単音を一つ一つ試しに発音してみて、どの音の発音が難しいかを学習者とともに確認する。発音が難しい音は学習者が発音に気をつける一方、深く気にしないようにフォローする。
  3. 単語や簡単な表現を何度も発音させ、規則についてはそのつど説明していく。発音は、コミュニケーションに問題が出てくる場合のみ修正する。
  4. 単語を覚えてくるとある程度の規則が分かってくるので、そうしたら、その言語の発音の体系について、最初からもう一度説明する。
  5. 練習と、規則の確認の繰り返し……。

そして、この本は上記の「4.」 に非常に役にたちます。たしかに、こういう規則は最初に覚えてしまえば楽なのだと思いますが、初心者には単語や簡単な表現などを教えることの方が大事だと思います。だから、単語や文法などを教えながら少しずつ小出しにしていき、ある時点でまとめて教えれば、「そっかぁ!!そういうことか!!」と、新たな勉強意欲になるはず。

また、フランス語は動詞の語尾変化もけっこう複雑で、不規則動詞の変化は覚えたそばからどんどん忘れてしまいますが、それもこの本を読めば、なんでそういう不規則変化が起こるのかも納得できるので、簡単に覚えられるようになると思います。

そもそも、言葉にはまず音があって、その後に文字ができたのだから、音とスペリングにはある程度の規則があるのは当たり前で、それを無視して、発音記号の音だけを理解させたり覚えさせたり、またその逆を行うのは実用的ではないと思うのです。

とは言っても、語学の学習には、なんと言っても学習者のやる気が一番大事。それを考えたら、「これは後でしっかりやるから今は気にしないでいいよ。こういうのがあるんだなという事だけ覚えておいて」という時期は必要だと思います。だから「小出しにして、ある時点で一気に教える」のです。

というわけで、今回は発音を教える側ではなくて習う側なのですが、今回、フランス語を完全に最初からやり直しているので、自分で上記の状況を作ってみました。結果は上々です。

また、この本でおもしろいなと思ったのは、カタカナと発音記号を併記していることです。日本語や中国語には音を表す記号(ひらがなやピンイン)がありますが、それがない言語には、音を表す記号が必要です。それが学習の助けになるからです。でも、カタカナはもちろん、発音記号だって万全ではありません。発音記号だけを追っていくと、別の問題が発生します。だから、とにかく音を知るための道具として両方を併記するのって、そういう状況を学習者に理解させるためにも、意外と大事なことなんじゃないかなと思いました。

 


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