明日の記憶 [和書・翻訳書を読む]
知っているはずの言葉がとっさに出てこない。物忘れ、頭痛、不眠、目眩――告げられた病名は若年性アルツハイマー。どんなにメモでポケットを膨らませても確実に失われていく記憶。そして悲しくもほのかな光が見える感動の結末。上質のユーモア感覚を持つ著者が、シリアスなテーマに挑んだ最高傑作。(Amazonより抜粋)
少し前に日系の古本屋に行ったらちょうどセール中だったので、10冊ほど本を買ってしまいました。
こんなに勉強で忙しいんだからしばらく読めないなと思っていたのですが、帰りのバスの中でこの本を読み出したら面白くて、つい最後まで読んでしまいました。
とはいえ、本の内容は、面白いというより、怖いですね。広告代理店の部長として働いていた50歳の主人公がアルツハイマーにかかり、記憶が少しずつなくなっていくのを補うように何でもメモに書いてポケットに入れたり、日記をつけたり、と本人は病としっかり向き合っているようですが、それが少しずつ壊れていってしまう。読んでいて非常に怖かったです。
『アルジャーノンに花束を』で、知的障害である主人公が脳外科手術によって天才になり、最後に元の状態に戻っていく過程を、この本と同じように主人公の日記の文章で表現していたので、その点は特に目新しくは感じなかったのですが、あれは完全なる架空の話、この話は実際に起こり得る話ですからね。そういう意味で怖かったです。
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