語学で身を立てる [言語観を知る]
老若男女を問わず、多くの人が語学を学び始めている。英語だけでなく、さまざまな言語に関心が拡がっている。そして、そうした人たちの多くが、外国語を習得したのち、それを仕事に結びつけていくには、どのような方法があるのだろうか。本書は、通訳や翻訳家といった代表的な職業だけでなく、初心者向けに、何のために語学を学ぶのか、学んだ語学をどう仕事に生かすのかについて、指針を与える。(Amazonより抜粋)
同じくAmazonのコメントに『今どちらかといえば、英語産業というものは日本人の英語コンプレックスを逆手に取って発展していると思うのは私だけでしょうか?』というのがありましたが、私も心からそう思いますし、そのため、その産業に関わっている人の話には多くの場合において、全く同意できません。だからこういう本や意見を見つけると、少しは状況が変わってきたかもと思ってたまに手にとるのですが、だいたいにおいてその期待は裏切られます。
今回はそういう部分はほとんどなかったです。この本には、語学で生計を立てる方法が書いてあって、どこからはじめたらいいか分からない人にはいい指南書になるかもしれません。でもですね、「語学で生計を立てる」のは「外国語だけ」の問題ではない、というか語学以外の要素だって大きく関わってくるので、そもそも「外国語習得=語学で身を立てる」というステレオタイプな考え方をやめるところから私達は変わっていかないといけないと思います。
だから、「語学で生計をたてる」という部分については、間違ってるとはいいませんが、この通りにがんばればいいのか、と聞かれたら私は「そうですね」とは答えられません。それよりも語学を勉強する上でネイティブ信仰を持たないこととか、どういう勉強法が有効かとか、そういうことについて考え直すという点でこの本を評価したいと思います。
コメント 0