新・自然科学としての言語学: 生成文法とは何か [言語学・日本語学を学ぶ]
新・自然科学としての言語学: 生成文法とは何か (ちくま学芸文庫)
|
日本ではしばしば「言語学は文科系の学問」と見なされる。言語は人間の本質を担うものであり、それゆえ、近代科学が生まれるはるか以前からその研究は行われてきた。しかし、20世紀最大の言語学者チョムスキーの提唱する生成文法はあくまで近代科学の方法を用いた“自然科学”であり、生成文法を学ぶにはその点の自覚が不可欠である、と著者は言う。生成文法とはどのようなものなのか、そして言語学研究はどこへ向かうのか。言語学入門としてはもちろん、「自然科学とは何か」という問いに向き合う科学論としても興味深い、第一人者による論考集。旧著を大幅に増補・改訂し、新たに付録として黒田成幸氏の論考「数学と生成文法」を収録。(Amazonより抜粋)久しぶりの言語学、そして久しぶりの生成文法は、楽しかったです。
生成文法が目指してるものを丁寧に説明していて、とても分かりやすかったです。入門書の部類に入ると思いますが、ものすごく簡単というわけでないので、物足りないと感じる事もないと思います。私は日本の大学で言語学を学んだことがないので、その辺の事情も良く分かって面白かったです。
これは、同じ言語学の分野にいながらも生成文法が良く分からないと言う人にオススメしたい本ですね。
英語コーパス言語学 [言語学・日本語学を学ぶ]
コンピュータを駆使して言語資料(コーパス)を編纂・分析する言語研究法「コーパス言語学」。その定義から応用までを解説する本邦初の総合概説書。(Amazonより抜粋)コーパス言語学は授業内外で何度か発表を聞いたり資料として指定された論文を読んだりしたのですが、コーパスを実際に使う機会がないのでよく分かってませんでした。なので本を読んでみました。
ということで読んだ感想ですが、体系的に知るには分かりやすくて良かったし、読みやすかったのですぐ読み終わった点も良かったのですが、基礎編は元々理解していた内容とあまり変わらなかったし、実践編のところは今のところ必要ないので、どのぐらい役にたつのかは分かりません。また、書かれたのは2005年なので、ソフトウエアなどはもっといいものがあるかもしれません。でも今後必要になるかもしれないので、そのまま取っておこうと思います。
文法探究法 [言語学・日本語学を学ぶ]
身近な言語事象を対象とした15の事例研究を通して、文法研究の基本的態度と方法が体得できるようわかりやすく解説する。「言文一致体」は言文一致か? 日本語で一番短い文は何か? などのテーマを扱う。(Amazonより抜粋)まえがきに、国語学・日本語学の教科書および演習用のテキスト、または卒業論文作成指導の際の便を図るものとして編集したと書いてありますが、発展問題がいっぱいあって確かに演習用のテキストだと思いました。
同じく、演習用のテキストらしく、内容も簡潔で分かりやすくてよかったです。私は演習ではテキストではなく実際の論文を「分からない!」と嘆きながらも読んでいたので、こういう本はちょっとうらやましいです。
『日本語に主語はいらない』についても書いてありました。もともと主語に興味があるので、簡単であってもこういう議論が読めるのはうれしいですね。