形態論と意味 [言語学・日本語学を学ぶ]
本書は、最近の形態論・語形成論で研究されている様々な現象のうち、とくに意味との関わりが深いことがらを取り上げ、英語と日本語の多彩な例に基づいて具体的に説明していく。レヴェル的には、学部の3・4年生から大学院の修士課程あたりを念頭に置いている。(Amazonより抜粋)
『形態論』をテーマにした本はほとんど初めて読みましたが、以前形態論の授業を少し聴講していた事もあり、この本はイメージしていたものと少し違っていました。一番の原因は、(それはこのシリーズが「英語学演習シリーズ」だから当たり前といえば当たり前なのですが)、英語と日本語の例しか使われていないという点だと思います。
もう一つ特徴的なのは、前書きにもあるとおり、「確立された理論や公式を丸暗記するよりも、読者が自分で用例の収集や分析を行なってリポートあるいは論文が書けるように」なっていることです。ただ、練習問題の答が載っているわけではないので、「読者が自分で」というよりは「演習の授業で」使用されるテキストなのかもしれません。
全体的にはそれ程目新しいところはなかったのですが、英語と日本語の比較等、非常に分かりやすくてよかったです。また、認知意味論が土台になっているみたいですが、特に気になりませんでした。
まあ、今まで形態論の本を読んだ事がないので比較しようがないだけなのですが、個人的には、この本そのものより、豊富なFurther Readingsの一覧が今後役に立ちそうなのがうれしいです。
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