Phonetic Data Analysis [言語学・日本語学を学ぶ]
Phonetic Data Analysis: An Introduction to Fieldwork and Instrumental Techniques
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先日に続き音声学の本ですが、基本的に私は音声学が嫌い、分からない、興味がない、の三重苦なので他の本を読むよりかなり苦痛なのですが、この本はフィールドワークとそのデータ解析が主なテーマになっているので技術的な部分もそれほど苦にならず、楽しく読むことができました。特に、そこかしこにある実体験の小話が面白いです。
フィールドワークはちょうど今やっている最中なのですが、最初の頃は、そもそも名前すら知らなかった言語や文化に触れることにそれほど興味がわかなかったのですが、いざやってみて、少しずつ言葉や文化を理解していくにつれ、けっこう面白いのではないかと思うようになりました。英語でさえままならないのに、その英語を介して新しい言語を研究するのは非常に難しく、英語ネイティブの子達がどんどん先に進むなか、下の方で一人でいつまでももがいている状態です。それでももう少し腰を据えてがんばってみようかと思います。日本で言語学を学んだ事はないのでよく分かりませんが、きっと日本ではこんな機会を得ることすら難しいのではないかと思うので、せっかくの機会を無駄にしないようにがんばります。
話が少し逸れましたが、最後の章で改訂版の話や、質問がある場合は連絡を、また飛行機のチケットを送ってくれれば音声学ラボを作る手伝いをするよ、などたのもしい事が書かれていますが、この著名な音声学者はその数年後に亡くなられました。この本の中の著者はとても生き生きとしているので、読み終わったあとに少しさびしい気持ちになりました。
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