蟹と彼と私 [和書・翻訳書を読む]
あの日、空の底が抜けた。食道ガンに冒された最愛のひと。あなたの命が先なのか、私の気力が続くのか。“出口”をもとめ爆走する、妄想と情熱の闘病記。芥川賞作家による、最新長編小説。(Amazonより抜粋)
内容を確認せずにとりあえず借りてくるのはいつものことですが、今回も蟹が何の事を指すのか確認せずにこの本を借りてきました。癌のお話だったんですね。
恋人の癌闘病と介護の日々、そして死別をつづった小説です。他の闘病小説と違うところは、妄想が色々でてくるところです。蟹達の会話、河童との会話などなど。また癌をやっつけるために民間療法に手をだしたり、神仏にすがったりと、妄想の世界だけでなく現実の世界も相当なものでした。
恋人のパタさんと「私」は、十年以上のつきあいですが色々あって結婚していません。 食道がんを宣告された彼がまず最初に婚姻届を持ってきたというところに、彼の動揺が伺えますね。また、彼を最期まで看取りながら、妻ではない自分が彼にとってどんな存在なのか分からないという2人の関係に悲しさを覚えました。
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