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コールドゲーム [和書・翻訳書を読む]

コールドゲーム (新潮文庫)

コールドゲーム (新潮文庫)

  • 作者: 荻原 浩
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2005/10
  • メディア: 文庫
高3の夏、復讐は突然はじまった。中2時代のクラスメートが、一人また一人と襲われていく…。犯行予告からトロ吉が浮び上がる。4年前クラス中のイジメの標的だったトロ吉こと廣吉。だが、転校したトロ吉の行方は誰も知らなかった。光也たち有志は、「北中防衛隊」をつくり、トロ吉を捜しはじめるのだが―。やるせない真実、驚愕の結末。高3の終らない夏休みを描く青春ミステリ。(Amazonより抜粋)

先日日系の本屋に行ったときに買った本です。私はいつもタイトルや著者の名前を覚えないし、本を買うときはいつも適当に買うので、この本を手にした時も「なんとなく聞いた事がある名前だ」としか思わなかったのですが、読み終わってから『明日の記憶』と同じ著者だった事を知りました。そして、『明日の記憶』で書いたように、途中でやめようと思っていたのに、ついつい最後まで読んでしまいました。この作者、けっこう好きなんだと思います。

いじめられた子による復讐劇。主人公はいじめた子達+見過ごしていた子、ということで、Amazonのレビューでも「いじめられた側を軽く扱っている」等の批判がありましたが、私はそうとは思いませんでした。いじめた子達も、いじめられた子も、それを見過ごしていた子も、すべていじめの「参加者」として、それによって引き起こされる可能性のある未来を書いているのであって、どちらに加担しているわけではないように感じました。

いじめられたから復讐するのが正しい事とは思いませんが、いじめによって人生が狂ってしまった人なんて世の中にたくさんいます。やるせない真実、と上に書いてありますが、実際のいじめだって、やるせなさ以外に何があるのでしょうか。本人に理由がある場合もあるでしょうが、ない場合もあるし、あったとしてもそこまでいじめられる程の理由ではない場合のが多いでしょう。それなのに、結局多数の意見が尊重される。多数の方が間違っていたとしても「しょうがない」で終わり、さらに多数は成長でき(たように勘違いをし)、結果少数が排除される。最後まで救いのない話でしたが、いじめに救いを求める方のが間違っているような気もします。

 


タグ:感想 小説 和書
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