言語を生みだす本能 [言語学・日本語学を学ぶ]
言語に興味をもっている多くの人が本書を楽しみながら読んで、言語のすばらしさとその言語を操る人間のすばらしさを正しく理解し、言語(獲得)に関する正しい認識を身につけてほしいものである。言語の正しい認識は、人間性に関する正しい認識につながるものであり、人間の尊厳を正しく把握する上でも重要な意味をもつものだからである。(あとがきの解説より抜粋)
「一般の人向けだけどおもしろいから」と言われて同じ著書の最新作を原書で買ったのですが、地元の図書館に別の作品の翻訳書があったので借りてきて読みました。
翻訳版ということで、
- 例題が「日(英)」で書かれているので、英文そのものを説明してる部分が読みにくい。
- 本が縦書きなので、英文も1文字ずつ縦に書かれている部分が読みにくい。
- 参考文献が載ってないので、参照ができない。
という難点がありますが、全体的には面白かったです。この本は原書を、または原書・翻訳書の併用で読むべきかなと思います。
「言語学を専攻している」と言うと、(特に日本では)たいてい「語学」それも「英語」について学んでいると思われることが多いのですが、その点や、世間一般に誤解されている言語に関する問題が、言語学、生物学、文化人類学、心理学などの点から分かりやすく説明されていて、けっこう楽しめました。
ただ、「一般向け」として考えると少し専門的過ぎて難しいと感じるかもしれませんが、そこはそのまま飛ばしてしまってもいいかもしれません。とにかく、言語学者が言語をどうやって「科学」として扱っているかを知りたい人には、この本を一度読んでみることをお勧めします。
それにしても、この本の特筆すべき点は、一般の読者が言語学という科学を理解しやすいように書かれているだけでなく、(あとがきにも書かれているとおり)エンターテイメントの精神に満ち溢れているという点です。これだけの内容をこんなに楽しく読めるとは思っていなかったので、図書館で読んでいたのにも関わらず、ついくすくす笑ってしまいました。
周りの人は非常に迷惑だったことでしょう。気をつけます。
The Language Instinct: How the Mind Creates Language (P.S.)
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初めまして!
遊びに来ました!
これからヨロシクお願いしま~す<m(__)m>
by aosima0714 (2009-07-02 15:55)