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ピンクとグレー [和書・翻訳書を読む]

ピンクとグレー (角川文庫)

ピンクとグレー (角川文庫)

  • 作者: 加藤 シゲアキ
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
  • 発売日: 2014/02/25
  • メディア: 文庫
12万部の大ヒット、NEWS加藤シゲアキ衝撃のデビュー作がついに文庫化! ジャニーズ初の作家が、芸能界を舞台に描く二人の青年の狂おしいほどの愛と孤独。各界著名人も絶賛した青春小説の金字塔。(Amazonより抜粋)
本業のグループへのちょっとした興味から手にした最新作『オルタネート』が面白かったので、別の作品も読んでみました。

しかし、最近の勢いはすごいですね。直木賞に続き本屋大賞。賞レースは全然興味がないので普段は気にもしていなかったのですが、有名人が候補になったために色々な媒体で取り上げられてるようで目に入る機会が増えました。それにともない、本業のファンの方々が一生懸命良さを語っていて、内容自体は話半分に聞いたとしても、きっと中には普段本を読まない子、読まなかった子もいるんだろうなと、微笑ましい気持ちになりました。わたしは基本的にアイドルが色々な分野で活躍することでその分野が荒らされるとはあまり思わず、どちらか言えば活性化することを好ましく思うほうなので、今回の連続候補についても良い印象しかありません(そもそも誰がとってもあまり興味がないですし)。とはいえ、自分が読むかどうかはまた別の話なのですが、今回はすでに一冊読んでいてそれが面白かったため、ある種このお祭り騒ぎに乗っかって何冊か購入しました。賞レースの方は、アイドルだから(なんらかの力が働いてしまうだろうから)取らせてはいけない派と、アイドルでいるからこそ辛い目にあったのだからここで報われてほしいと思う派がいるようですが、だからこそ、良い結果になっても残念な結果になっても、純粋に作品だけに目を向けていきたいです。

そんなわけで、このデビュー作ですが、デビュー作とは思えないぐらい面白かったです。最初の方の場面転換は『オルタネート』でもありましたが、この作品では何か見落としてるんじゃないかと前に戻ったりして(普段こんなことしないのですが)、そういう意味では読みにくかったのですが、途中から一気に面白くなり、最後は唖然とする内容でした。著者のいる世界は、華やかな裏で色々と怪しい噂も多いところですが、著者の年齢でどのようにあの心の闇が表現できたのか興味深いです。『オルタネート』では「シンプルにみえて、ああいうライブを作ってお客さんの心をガッツリつかむザ・エンターテイナーだからこその練られた構成」と書きましたが、こちらはシンプルというより練られに練られた結果のように感じ、読みごたえがありました。

この著者の本は、本業へのちょっとした興味のほかに、去年の新作販売で、出版社が宣伝に力を入れて動画まで作ったという話を聞いて興味をもったのが最初ですが、昨今の業界の事情を抜きにしても、力を入れたくなるのがわかるような気がします。小説家だと、内にこもる人も多いかもしれませんが、この著者は立場上、様々な人達と出会うチャンスがあると思いますし、その中には様々な専門家の人達も多いかと思います。それを今後の執筆活動に活かして、もっと面白い作品が今後も生まれるかもしれません。楽しみですね。

ここまでくると、受賞してもしなくても、認める人は認めるだろうし、なんやかんや言う人も変わらないと思います。それでもやっぱり、本人や本業のファンは取りたいのかな?立場上、本人には様々な声が届いているだろうし、心ない言葉も少なくないかもしれません。本人は周りの雑音なんかあまり気にしていないのかもしれませんが、これからも頑張ってほしいなと思います。
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