日本語は人間をどう見ているか [言語学・日本語学を学ぶ]
本来は「人間以外のもの」に関する表現が、「人間(の営み)」について述べるのに用いられる表現の仕方に注目し、日本語を考察。いろいろな表現を楽しみながら、日本語の新しい見方を知るための一冊。(Amazonより抜粋)
この本は、認知言語学(認知意味論)といいう言語学のひとつの考え方である「概念メタファー」と言われるものに基づいて書かれています。
この本では、本来、「人間以外のもの」である「植物」「鳥」「天気」「機械」そして「想像上の存在」に関する表現が「人間(の営み)」について述べるのに用いられる表現の仕方に注目していますが、分かりやすい例文を使って分かりやすく書いてありますので、言語学の知識はまったく必要ありません。これは認知言語学の入り口の入り口なのでしょう。また、巻末に、認知言語学全般に関する推薦図書が載っていました。
私は、言語学については今のところ生成文法を主に学んでいるため、言語学全体での生成文法の位置づけや、他の分野の内容についてはまったく分かりません。だから、もしかしたら生成文法以外の部分に興味が持てる分野があるかもしれないので、もう少し浅く広い知識を得たいなと思っているのですが、この本はちょっとばかりせまい範囲について書いてあったので、軽く読んで終わりにしました。
それにしても、この本に出てくる例題を読んで、人間を植物や鳥に例える表現がたくさんある日本語はやっぱりいいなと思いました。
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