Historical Linguistics [言語学・日本語学を学ぶ]
Historical Linguistics: An Introduction
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歴史言語学や比較言語学って、自分で授業を取り始めるまで自分の中で確立されていた「言語学という学問」そのもののイメージで、今まではあまり興味がわかなかったのですが、この本はけっこう楽しめました。
そもそも、私の言語学の勉強は、別の学部を専攻していた日本での大学時代にはじまりました。ただ、その頃、というかつい最近まで、自分が言語学を勉強している自覚はなく、仕事のために日本語能力をつけるための勉強をしていると自分では思っていました。
だから、さすがに生成文法などは知らなかったし、言語学という学問を外から見たときにどういう分野の事をどのぐらい知っていたのか今でも良く分からないのですが、それでも、私がこの土地で出会った英語教師に感化されて言語学を勉強するようになったのは全くの偶然ではなく、当然の結果だったのかなと思います。
そして、この本ですが、今までは「英語ではなく色々な言語を対象にして普遍的な言語現象について学ぶ」としていても、結局英語に焦点をあてることが多かったのですが、この本では本当に色々な例が出ていました。今のところ、教授達にいくら言われても、生成文法は「やっぱり英語を基にした」文法というか、「英語の事しか考えてない」ような印象しかなかったので、少し生成文法から離れてこういう本を読むことは非常に勉強になって良かったです。
この本を持っていたら別のある教授に「その本は悪くはないけどそんなには良くない」と言われましたが、さすが英語の本だけあって、例となる現象がこれでもかというぐらい収められて、1冊目として読む本としてはけっこう良かったなと思います。
そして本の内容にはまったく関係ないのですが、この表紙の不思議な絵がけっこう好きなんです。
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