SSブログ

1リットルの涙 [日本映画・ドラマを楽しむ]

1リットルの涙 DVD-BOX

1リットルの涙 DVD-BOX

  • 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
  • メディア: DVD
1リットルの涙―難病と闘い続ける少女亜也の日記 (幻冬舎文庫)

1リットルの涙―難病と闘い続ける少女亜也の日記 (幻冬舎文庫)

  • 作者: 木藤 亜也
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2005/02
  • メディア: 文庫
最期まで生きることを捨てなかった。病気と闘いぬいた少女が遺した命の日記。(Amazonより抜粋)
連続ドラマは(題名を覚えてなくても観たことがあるかどうかはすぐ分かるので)ここにはあまり載せないのですが、実在の話が元になっているということで、今回感想を載せることにしました。

この手の、実在の話をきれいにまとめただけの「さあ泣いてください」という演出はあまり好きではありません。原作者のお母様の「恋愛をさせてあげたかった」という要望を汲み取って架空のボーイフレンドを出したというところは理解できますが、彼との話ばかりに焦点があたってしまい、逆に「彼がいない現実」は救いがなかったのかと勘ぐってしまいます。

もうひとつ演出に納得いかなかったのは、主人公亜也が養護学校に転校するときにクラス中が外に見送りに出てきていきなり歌うところです。エンドロールで「『亜也ちゃん行かないで』と言ってほしかった」と本人の談があったので現実にはけっこう重い場面だったと思いますし、それを少しでも和らげるための演出だったのかもしれませんが、嘘くさい演出にちょっとげんなりです。

最後に、主役の沢尻さんの演技、特に病気が進んだ後半の演技にも「?」です。難しい役だと思いますが、もう少ししっかりと演じてほしかった。全体的に、ラブストーリーに重点を置いたせいで、闘病生活が続くであろう終盤が短すぎますし、Amazonのレビューにもありましたが「綺麗な障害者」を描きすぎ、演じすぎです。

...と色々悪い点をあげていきましたが、全体的にはいいドラマでした。原作は読んでいませんが、エンドロールに出てくる原作者の言葉が特にすばらしいです。最後のガッツポーズのような表情もすごく素敵です(あれはいつ頃の写真なのでしょうか)。日本での障害者に対する偏見も、普段海外にいると強く感じるのですが(私の住んでいる土地では障害者をたくさん見かけるし、大学でも色々とサポートを受けながら授業を受けてる人を見たことも一度や二度ではありません)、日本にいたら気づかない人もいるでしょうから、それを少なからず描くことで社会に訴えることが出来るでしょうし、何よりも、このドラマに感動した人が、原作を手にし、彼らの実情を深く考えるようになり、さらには医療関係などの道に進むこともあるでしょう。

今までこの手の話に触れてこなかった人にとっては、「お涙ちょうだい」な演出がされた方のが話に入っていけるのかもしれません。原作に忠実に作られた重いドラマだったら途中で観るのをやめてしまうかもしれません。それを考えれば、このドラマが存在する意義は非常に大きいと思います。

最後になりますが、薬師丸ひろ子さんが素敵ですね。(若い頃の作品はほとんど覚えていませんが)『Always 三丁目の夕日』のお母さん役の時と同じように、彼女がいなかったらここまでのドラマにならなかったかもしれません。お父さん役の陣内さんも、お母さんが娘をどっぶり支える横で、明るく、強く、涙もろく生きる姿が格好よかったです。姉の病気を中々教えてもらえない事に「信用されてない」とショックを受けたり、病気の姉を隠そうとした弟を強くしかる次女も、お姉さんが好きなのに現実が中々受け止められなかった弟も、末の妹のけなげな明るさも良かったです。だからこそ、架空のボーイフレンドとの話に重点を置くよりも実在する家族とのエピソードをもっと入れてほしかったなと思いました。



タグ:ドラマ
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:テレビ

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0