境界線 [和書・翻訳書を読む]
2018年5月某日、気仙沼市南町の海岸で、女性の変死体が発見された。女性の遺留品の身分証から、遺体は宮城県警捜査一課警部・笘篠誠一郎の妻だったことがわかる。笘篠の妻は7年前の東日本大震災で津波によって流され、行方不明のままだった。遺体の様子から、妻と思われる女性はその前夜まで生きていたという。なぜ妻は自分のもとへ戻ってこなかったのか――笘篠はさまざまな疑問を胸に身元確認のため現場へ急行するが、そこで目にしたのはまったくの別人の遺体だった。(Amazonより抜粋)旅行中に読みました。
扱う内容が『ある男』と少し似てますね。自分が悪いわけではないのに別の誰かになりたいと思う人生って悲しいです。震災の頃は日本におらずその頃の様子が全然わからないので実感も全然ないのですが、亡くなった方だけではなく生き残った方の苦悩が計り知れないということは想像できます。しかし、このように実態を描写されるとそういう想像もまだまだ足りていないことがわかります。ミステリーというよりその点を評価したいと思います。
コメント 0