愛なき世界 [和書・翻訳書を読む]
恋のライバルは草でした(マジ)。洋食屋の見習い・藤丸陽太は、植物学研究者をめざす本村紗英に恋をした。しかし本村は、三度の飯よりシロイヌナズナ(葉っぱ)の研究が好き。見た目が殺し屋のような教授、イモに惚れ込む老教授、サボテンを巨大化させる後輩男子など、愛おしい変わり者たちに支えられ、地道な研究に情熱を燃やす日々…。(Amazonより抜粋)『舟を編む』の著者ですが、また少々変わり者の専門家の話で面白かったです。ただ、研究者はめちゃくちゃ変わり者しかいないというようなステレオタイプのイメージなのが少々もったいないですね。
あと、料理人見習いの男の子が愛嬌があって、アクセントになっているのが面白かったです。ちょっとおバカな命名をするところなどが憎めないだけでなく、同じように1つの道に進むものとして「基本に戻る」道しるべになるところや、素人ならではの役割が良かったですね。ただ、最後は、すがすがしいんですけど、そこは別の答えを出してもよかったのでは...と思いました。
ギフト [和書・翻訳書を読む]
傲慢と善良 [和書・翻訳書を読む]
婚約者が忽然と姿を消した。その居場所を探すため、西澤架は、彼女の「過去」と向き合うことになる―。作家生活15周年&朝日新聞出版10周年記念作品。圧倒的な“恋愛”小説。 (Amazonより抜粋)「傲慢」と「善良」という言葉が何度も出てきて、その言葉が与える力が強すぎるというか、傲慢はまだしも、善良という言葉をそんなに感じるものなのかと違和感があり、なんだかしっくりきませんでした。また、婚約者の女の子の性格が悪すぎてどうしても共感ができませんでした。嘘をついたことすら相手のせいにして。彼女との比較として、女友達も悪く描写しすぎているように思います。わたしもこのような集団は苦手で、あまり近づかないしていますが、嘘を見抜いていても最後まで黙っていてくれたり、逆に信頼できると感じました。
それにしても、彼のほうも、彼女がいなくなって改めて大切さに気が付いたとか、真実を知って好きになっていったというより、あくまでも自分がどうだったかという部分ばかりで、どうしてそういう結論になったのかがわかりませんでした。